「確かに2000GTだ」。手渡されたモデルカーをじっくりと見た後、細谷四方洋さんはそうつぶやいた。 実車のトヨタ2000GT開発にも携わった細谷さんの言葉だけに、とても意義深い。 11月の初頭、本誌のモデルカーコーナーで2000GTの新製品情報を見た細谷さんは、すぐにメーカーである京商へ問い合わせの電話を入れたそうだ。その小さな写真からですら、細谷さんを動かす「何か」が発せられていたということだろう。
実車開発に携わった細谷さんに興味を持ってもらったことは、メーカーとしても大変に栄誉なことだ。そこで、完成記念として、細谷さんにモデルカーを贈呈することとなったが、これは単なるセレモニーではなく、誰よりも実車を知る関係者から、実物を前に意見が聞ける貴重な機会でもある。
当日は、細谷さんが監修を行っている2000GTレプリカのロッキー3000GTを製作・販売するロッキーオートのファクトリーに関係者が集合。いわば、1/1サイズの究極のモデルカーを前に話をうかがった。
1/12という圧倒的な存在感を誇るモデルカーを手渡された細谷さんは、まずはにっこりとした笑顔となったが、その後、モデルカーを厳しい目でじっくりと見つめた。そしてじっくりと観察した後、満面の笑みと同時に出てきた言葉が冒頭の一言だったのだ。
京商の2000GTは、プレスラインやボンネット、フェンダー、ドアなどのチリ(ボディパネルの合わせ目)を正確に描き出し、ひたすら造形にこだわって、レジンキャスト製法を採用。徹底した計測から3Dキャドデータを作製し、正確にスケールダウンしモデルカー化。縮小化の際、モデルによっては、各部にアレンジを加えることもあるが、今回は一切補正は加えていない。美しい2000GTのボディは、縮小してもバランスを崩すことなく、ひたすら美しさを保っている。これには、細谷さんも「野崎 喩さんが描いた美しいボディライン、私は野崎ラインと呼んでいますが、これが完璧に出ていて非の打ち所がない」と感心しきりだった。 そして、最後に2台の2000GTをご自宅のどこに置くつもりか尋ねてみると、いったんは「いつでも眺めていたいから書斎かな」と答えてくれた細谷さんだったが、すぐに「やっぱり玄関だな。玄関なら誰が来ても真っ先に見える場所だし、みんなに見てもらいたいしね。2台だから飾りがいもあります」と、子どものような笑顔で語ってくれた。
常に見えるところ、手の届くところに置いて、一人で思う存分楽しみたいと思うと同時に、みんなにも見せたくてしかたなくなるーー実車を誰よりも知り、誰よりも2000GTを愛する細谷さんを、そんな気にさせたのがsamuraiシリーズの2000GTだった。
【photo collection】
今ではボンネットの特徴的なセンターラインがきれいに出ていないクルマも少なくない2000GT。京商のモデルカーでは、そのプレスラインがきれいに再現されていることに細谷さんも大いに感心していた。
ボディサイドを流れるようにつながる一本のラインが2000GTの大きな特徴。実車と見比べて、そのラインがきれいに再現されていることも確認できた。
インテリアの作り込みにも感心しきり。
実際に製品設計・製作を主導したホビー営業部ダイキャストグループの岡部映広と製品について意見を交わす細谷さん。
製品開発過程の資料写真を目にすると、自然といろいろな質問が飛び出した。実車開発にもかかわっていた細谷さんだけに、製作サイドのこだわりの部分について共感を寄せていた。
計測データから再現した3Dキャドデータを見た細谷さんは、思わず「すばらしくきれい。忠実に再現できている」と感心しきりだった。
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